2016年6月  3.神学生と修練者のために
 日本で、司祭になるための養成を受けている神学生の数は、2014年の統計によると83名で、そのうち外国籍が32名でした。10年前2004年の統計では、151名、うち外国籍が70名でした。10年の間におよそ半減していることが、この数字から明らかです。
 修道者になるための養成を受けている修練者の数は、2014年で男子が49名、女子が108名でした。この数を10年前と比較すると、2004年の修練者数は男子が44名、女子が178名でした。男子の修練者の数は減少していませんが、全体的には70名ほど減少していることが明らかです(統計はカトリック中央協議会発表の教会現勢による)。
 6月の教皇の福音宣教の意向は、「神学生と修練者」をテーマとして、よき指導者に恵まれて、ふさわしい準備ができるようにと祈るように、私たちを招いています。召命は、一人ひとりの固有の使命に応える営みですから、その時々の司祭・修道者への召命の数に一喜一憂することは、賢明でないかもしれませんが、教皇の意向にあるように、その召命をはぐくむための環境を、万全の策を用いて整えておくことは、私たちに与えられた大きな責任の一つではないでしょうか。
 修道院の修練の責任をもつ方々や、神学院で教えたり分かち合ったりする方々のために祈ることは、まず私たちに求められることですが、一人ひとりの召命の背景には、その方が育った共同体が必ず存在しているのですから、その共同体の誰もが、神からの呼びかけに全身全霊をかけて応えようとしている神学生・修練者を、祈りや分かち合いや、その他あらゆる方法で支え続けることが、とても大切でしょう。
 教区には、神学生の召し出しを支える「一粒会」のような活動もありますが、一人ひとりの修道召命のためにも、祈りと行動を持って、支えてまいりたいものです。