2016年8月  2.一人ひとりが築く平和
 日本カトリック司教協議会会長の高見三明大司教は、「2016年『平和旬間』にあたって〜平和を自分たちの足元から〜」という談話の冒頭で、次のように述べています。
 「日本カトリック司教協議会は、35年前の1981年2月25日、聖ヨハネ・パウロ二世教皇が広島でなさった力強い『平和アピール』に応えて、翌年から8月6日〜15日を『日本カトリック平和旬間』と定めました。今年で35回目を迎えます。この10日間を平和旬間としたのは、広島と長崎の原爆記念日および終戦記念日が集中しているからです。言うまでもありませんが、平和のために祈り、平和について学び、考え、平和のために活動することは、決してこの期間に限定されることではありません。6月23日の沖縄『慰霊の日』を忘れてはなりませんし、一年を通して平和のために祈り、平和について学び、考え、平和のために必要な行動をとるよう努めなければならないのです。しかし、特にこの期間を、いつもより有意義に過ごすことが望まれます。」(カトリック中央協議会ウェブサイトより)
 この談話が私たちに示そうとしている平和に対する姿勢は、その表題にもあるように、「自分たちの足元から」、つまり日々の普段の生活において、すべての人に対して穏やかな心をもって、誠実に尽くすことから、真の平和への道が開かれるということでしょう。「いつくしみの特別聖年」を過ごしている今、「私の今の心の姿勢が世界の平和の礎の一つである」ことを、信仰を分かち合うすべての人が祈りのうちに実践できれば、それは大きな力になるはずです。
 今年も各教区で、さまざまな平和旬間の行事や「平和を願うミサ」が開催されます。その中で、8月6日と9日の被爆の日を迎えます。世界をリードする国々が、核兵器の廃絶の必要性を訴えながら、その願いが実行されるに至っていません。今春の先進国首脳会議の折に、アメリカのオバマ大統領が広島を訪問し、平和公園で祈られた後に、力強く核廃絶の抱負を述べられたことは記憶に新しいことです。
 一人ひとりの平和への貢献と同時に、核兵器廃絶に向けて心を合わせて祈りをささげてまいりましょう。