2017年6月  4.すぐ近くで世界が広がる
 日本の教会は、6月の意向に、「祈りと愛の行いをもって世界の教会の一員として連帯を示し続けますように」と掲げています。世界各地で起きている出来事を理解して、その出来事の中で苦しんでいる人々の心に、一日も早く平和が訪れるように祈りをささげることは、とても大切なことです。教皇フランシスコは、「祈りには力がある」と、さまざまな機会を通じて述べておられます。まずは、「祈り」において、世界の教会と連帯することに、自らをささげましょう。
 また、「愛の行い」においても、たくさんの方々が一人ひとりの独自の関係から、個別に世界の教会とつながりをもっています。インドのコルカタの「死を待つ人の家」にパッチワークのキルトを贈ったり、南米のボリビアの高校生を奨学金で支えたりして、その支援のネットワークは世界を覆っているといっても過言ではありません。
 一方、私たちのすぐ近くにも、世界の教会と連帯できる場面があることに気づいているでしょうか。教会が発表している統計によると、日本にはおよそ48万人の外国籍のカトリック信徒が生活していると推計されます。実に、この数は日本人信徒の数、およそ44万人を上回っているのです。『カトリック教会情報ハンドブック』には、「外国語のミサ案内」のページがありますが、英語、スペイン語など、実に11の言語でミサがささげられていることが分かります。そして、その多くが、小教区の教会の聖堂で行われているのです。さらには、近くの教会で母国語でミサにあずかることができない外国籍の信徒は、日本語のミサに私たち日本人と一緒にあずかっています。
 私たち日本の教会は、たくさんの外国からの宣教師の「祈りと愛の行い」に支えられて今日まで歩んできました。そのことに深く感謝し、日常の生活のすぐ近くに世界が広がっている中で、一人ひとりが、どのように祈り、どのように愛の行いを実践するかに想いを寄せて過ごす一週間といたしましょう。