2017年12月  1.高齢者による霊的同伴
 祈りによって生活を整え、日々を神とそして出会う人々にささげて生きることができるようにと、私たちの「きょうをささげる」の運動が続いています。そして、朝の奉献と夜の究明を重ねて過ごす日々をていねいにふり返り、その実りを確認していく方法として、定期的な「霊的同伴」が薦められています。
 霊的同伴とは、日々の神との関わりや交わりについて、信仰をともにする人が個人的に面接しながら、神のはたらきを確認し、神に反するものを退けていこうとする営みで、かつては「霊的指導」と呼ばれていました。ところが、祈りの中での真の導き手は聖霊であって、信仰をともにするものはただ、その神との交わりをともに味わいながら歩むに過ぎないと気づいたので、「指導」ではなく「同伴」という用語が使われるようになったのです。
 さて、今月の教皇の意向は、「高齢者」です。高齢者が自分の信仰を後世に伝えていくことができるようにと祈るように奨めています。高齢になると身体的な衰えから、ボランティア活動などの外での働きはだんだんと叶わなくなります。ところが、この霊的同伴は、たとえベッドでの生活を余儀なくされたとしても、同伴を求める人がベッドサイドに来てくれさえすれば、誰でも行うことができる霊的奉仕ですので、自分の信仰体験に裏付けられて神の働きをともに味わっていくことができます。
 ですから、しっかりとした霊的な養成を受けている修道者にとっては、高齢になってからの最も適した使徒職だと考えることができるでしょう。すでに、霊的同伴の養成を受けて祈りの生活を整える手伝いをしているシスター方もたくさんいます。今週は、高齢者による霊的同伴について思いをいたし、ともに祈ってまいりましょう。