2018年3月 4.原発事故の国の責任 |
![]() 事故から7年が経過した被災地では、いまだに立ち入りが禁止されている地域があり、避難解除になった地域への帰還も思いのほか進んではいません。メルトダウンした原子炉からは、いまだに高い放射線が放出され、廃炉への目処も立っていません。このように、ひとたび暴走すると人類の生存に危機をもたらす核エネルギーへの依存から、なぜ国は原発廃止の方向への転換ができないのでしょうか。経済性、利便性を求める私たち生活者のわがままだけではなく、原子力発電所の建設に関わるたくさんの企業の利益が関係しています。そして、国と企業とが安全神話を組み立てて情報をコントロールしてきました。 行政の府である政府と立法の府である国会の権力の乱用を制御するのが司法の府である裁判所です。今回の判決はまだ地裁の段階で、結審するまで長い過程がありますが、これからの方向性に大きな影響を与えるものであると言えるでしょう。 日本の教会は、「原発事故がもたらした惨禍を直視し」「人間の幸福と尊厳を守る社会」の実現のためにともに祈るように奨めています。避難生活を余儀なくされている方々の心に寄り添いながら、被災者の幸福と尊厳のために祈りをささげて過ごしてまいりましょう。 |