2018年5月 2.貧困とは |
![]() OECDでは、この指標を用いて国際間比較を行っていますが、日本はこの年に調査された35カ国の中では、イスラエルの20.9%、メキシコの20.4%、トルコの19.3%、チリの18.0%、アメリカ合衆国の17.4%に次いで6番目に相対的貧困が高い結果が示されています。先進国でも相対的貧困率が高いのは、生活水準も物価も高い環境の中で生活しなければならないからです。因みに、18歳未満だけを対象に算出した貧困率は15.7%でした。 日本の教会は、子どもの貧困の解消を意向として掲げています。そして「日本社会全体が支え合うことができますように」と結んでいます。社会政策の枠や福祉の制度の狭間にあって、公的な支援を受けることが難しく、食べるものにも事欠く生活を余儀なくされている子どもたちがいることが分かってきました。緊急の援助の手を差しのべることは、私たち一人ひとりに求められる分かち合いの実践です。祈りと共に具体的な行動が求められています。 一方で、相対的貧困率を下げるために何が必要なのかを考え、日本の政治の中でその施策を推進できるような努力も欠くことができません。そもそも、自由経済システムの中では、貧富の差はますます拡大していく傾向があります。ですから、富の分配における正義が推進されるようにと祈ることも忘れてはなりません。貧困によって子どもの健やかな成長が妨げられることがないようにと、祈りをささげてまいりましょう。 |