2018年6月  2.家庭の四つの使命
 思い起こせば、1993年10月、日本の教会は長崎で第2回福音宣教推進全国会議(NICE2)を開催しました。テーマは、「家庭」でした。16の教区から約180名が集ったこの会議では、今日の社会にあって家庭が本来の使命を果たすことがきわめて困難な状況に置かれていることが確認され、これからの課題も明確になりました。
 司教団への答申には「・・・たとえば生命を大切にし、親子、夫婦で対話をし、交わりのある家庭でありたいと願ってはいても、その実現は容易ではありません。それらの家庭の願いが実現されるには、社会の風潮に流されない努力と、それを支える神の恵みが不可欠です(公式記録集より)」とあります。
 それに対して司教団は翌年に「家庭と宣教―家庭を支え福音を生きる教会共同体の実現をめざして」という文書を発表し、家庭の使命を四つ掲げて、それを生きるように勧めています。四つの使命とは、1.愛の共同体を作ること、2.生命に仕えること、3.社会の進歩発展に参加すること、4.教会の生命と使命に参加すること、です。まず私たち一人ひとりが神の愛をしっかりと受けとめ、互いに愛し合い、日々の生活の中で聖霊の働きに支えられながら、神の愛に応えていくことが大切だとまとめています。
 今月の日本の教会の意向は「家庭の平和」で、「親子・夫婦・兄弟が互いを尊重し信頼と愛にもとづく家庭を築くことができますように」祈ることを勧めています。いまNICE2での議論を思い起こし、家庭の使命が果たされる、教会が家庭を支えていくことの大切さを再確認致しましょう。