2018年11月 2.自死者の家族の慰めのために |
![]() しかし、自死者がいなくなったわけではありません。交通事故による死亡者が年間4千人ほどで推移していますが、その5倍にもあたるのです。一人でも自死者が少なくなるように、社会が一丸となって取り組まなければならない課題です。 自死者を出してしまった家族の心の痛みを感じ取ることはできませんが、とてつもない大きさであることは間違いないでしょう。愛する人を失ったときのストレスは人生における最大級のものだとの研究が報告されていますが、ましてやその原因が自死であれば、自分の接し方や話し方に落ち度があったのではないかと、自分を責めることにもなるでしょう。心の平安を取りもどすことは容易ではありません。 自死であれ事故死であれ、神からいただいた命を神にお返ししてからは、神がその死を受けとめ、み手の中に受け入れてくださることにお委ねするほかに、私たちには術(すべ)がありません。命の始まりにもそして命を閉じることにおいても、そこには私たちの思いを超えた神の業が働いているのです。 11月の死者の月にあたって、日本の教会は「世を去った人々とその遺族」のために祈るように奨めています。心を合わせて「神のあわれみよって永遠の安息が与えられ、遺族には慰めが与えられますように」と祈ってまいりましょう。 |