2018年12月  4.信仰を伝える人
 神に招かれた固有の召命と、神からいただいた固有の使命が、信仰を伝える具体的なミニストリー(職務)となって、社会のただ中で活動している人たちがいます。12月の意向として教皇は、そのような人たちが、派遣された地域に信仰の種をまくときに、そこで暮らした人々が培ってきた文化を尊重して、決して既存の文化を破壊することなく、信仰の真理を伝えることができるようにと、私たち一人ひとりが祈りをささげるように招いています。
 聖職者、修道者として、あるいは信徒宣教者としての召命をいただいて、もっぱら信仰を伝えるミニストリーに就いている人々がいますが、洗礼に導かれてイエスに従うものとなった一人ひとりも、自分のおかれた場で、自分なりに信仰を伝える使命をいただいているのです。今から50年ほど前に開催された第二バチカン公会議は、教会の中での信徒の立場について新しい考えを打ち立てました。公会議は4つの憲章、9つの教令、3つの宣言の、合計16の文書をもたらしました。教令の一つに「信徒使徒職に関する教令」があります。そこには、たとえ信徒であったとしても、キリストの後継者として、祭司職、預言職、王職に預かっていることが、はっきりと示されています。さらに、カトリック教会のカテキズムにおいても、信徒の祭司職、預言職、王職について示されています(873、897)。
 したがって、既存の「文化と対話しながら・・・ふさわしいことばを見いだす」姿勢は、すべての信徒にも求められていることになります。
 救い主イエスの誕生を祝うクリスマスを迎えた私たちが、神への信仰を「ふさわしいことば」で伝えることができるように、心を合わせて祈ってまいりましょう。