2019年4月  2.NICE2の主題「家庭」
 1984年に日本カトリック司教団として発表した「日本の教会の基本方針と優先課題」において、社会の福音化と福音宣教の二つの基本方針と、その実現のための優先課題3つが示されました。第一の優先課題は、教会が宣教共同体になること、第二優先課題は、教区と宣教会・修道会の協力を進めること、そして第三の優先課題は、1987年に「福音宣教推進全国会議(NICE: National Incentive Convention for Evangelization)」を開催することでした。
 3年の準備を経て、1987年11月に「第1回福音宣教推進全国会議(NICE1)」が京都で開催され、その審議を経て司教団は『ともに喜びをもって生きよう』を発表し、さまざまな課題の解決に向けて、信徒、修道者、司祭の枠を越えた協力の中で、一人も排除することのない社会の実現をめざしていく方向を指し示しました。
 そして、1993年10月に、第2回福音宣教推進全国会議(NICE2)が「家庭の現実から福音宣教のあり方を探る――神のみ旨に基づく家庭を育てるために」を課題として長崎で開催されました。そして翌年の3月、「家庭と宣教――家庭を支え福音を生きる教会共同体の実現をめざして」という文書が司教団から発表されました。
 (https://www.cbcj.catholic.jp/1994/03/24/6341/
 そして、教皇聖ヨハネ・パウロ二世の使徒的勧告『家庭――愛といのちのきずな』から引用して、家庭の四つの使命、(1)愛の共同体をつくること。(2)生命に仕えること。(3)社会の進歩発展に参加すること。(4)教会の生命と使命に参加することを確認し、愛の共同体である家庭を教会が支えていくこと、そのために分かち合いを深め実践していくことを提唱しました。
 その後、世界的にも家庭は常に私たちが大切にすべき領域であるとの認識のもとに、2014年にはシノドス(世界代表司教会議)第3回臨時総会が開催されて「福音宣教の観点から見た家庭の司牧的課題」が報告され〔当サイトの2004年10月5に掲載〕、また第14回通常総会でも家庭が取り上げられ、最終文書として「教会と現代世界における家庭の召命と使命」が報告されました。
 日本の教会は今月の意向として、「家族」を取り上げ「神に祝福された家族が、互いを理解し合い、相手を思いやり尊重することを通して、その絆の中に生きる喜びを次の世代に伝えていくことができますように」祈ることを勧めています。世界の教会が、また、日本の教会が、家庭・家族に注がれた恵みを大切にして、その力を正義と平和の促進のために役立てようとしています。この呼びかけに応えて、自分の家庭・家族の間の関わりの一つひとつが愛に満たされたものとなるように願い、また実践しながら、この一週間を過ごしてまいりましょう。