2019年8月 1.核兵器の廃絶に向けて |
1981年に教皇聖ヨハネ・パウロ二世は「平和の使者」として日本を訪問し、広島では「過去を振り返ることは、将来に対する責任を担うことである」と言われ、日本国内外に平和メッセージを発信しました。戦争を振り返り、平和を思うとき、平和は単なる願望ではなく、具体的な行動でなければなりません。そこで、その翌年に、日本のカトリック教会は、被爆地の広島や長崎の事実を思い起こすのに適した8月6日から15日までの10日間を「日本カトリック平和旬間」と定めました。そして、「広島平和アピール」から38年9カ月後の今年11月、教皇フランシスコが日本を訪問され、新たな平和メッセージを世界に向けて発信してくださるでしょう。 教皇フランシスコは、就任以来、折に触れて平和と核兵器廃絶について発言してこられました。2017年7月7日、国連総会で「核兵器禁止条約」という画期的な条約が採択されました。バチカンはこの「核兵器禁止条約」を最初に批准した3カ国の一つですし、国際会議「核兵器のない世界と総合的軍縮への展望」を主催しました。 日本の教会は今月の意向に「平和への決意」を掲げ、「戦争がもたらす悲しみや痛みをあらためて思い起こし、紛争の絶えない地域や緊張の続く地域、特に東アジアの平和のために力を尽くすことができますように」と祈るように勧めています。今日、北朝鮮でもまたイランでも、核兵器の製造に向けた動きが見られます。教皇と日本の教会の意向に合わせて、今週は核兵器の廃絶に向けての祈りをささげてまいりましょう。 |