2019年9月  4.すべてのいのちを守るため
 ローマ教皇が38年ぶりに来日することが、正式に発表されました。第266代教皇フランシスコは、11月23日から 26日、日本に滞在し、東京、長崎、広島を訪問します。
 そして、日本訪問のテーマを『すべてのいのちを守るため〜Protect All Life〜』と定められ、それを指し示すロゴマークも発表されています。全世界に向けて発信している9月の教皇の意向は、「海洋の保全」です。また、今月は「被造物を大切にする世界祈願日」で環境の保全について祈りました。もはや、持続可能な発展に向けての取り組みは、待ったなしの状況にきているのでしょう。
 以下は、カトリック中央協議会の教皇来日の特別サイトに掲載されているテーマとロゴマークについての説明です。11月の来日に向けて、このテーマについて祈り、ともに準備を進めて参りましょう。



 教皇フランシスコ来日のテーマは、同教皇の回勅『ラウダート・シ』(2015年発表)巻末に収められている「被造物とともにささげるキリスト者の祈り」から取られています。
 わたしたち一人ひとりは、神の似姿としていのちを与えられ、すべての人とともに永遠の祖国を目指すよう導かれています。そしてこの世界も、神によって「人の住む所として形づくられ」(イザヤ45・18)、保たれています。ですから、「すべてのいのちを守るため」には、人間一人ひとりの尊厳はもちろんのこと、環境も大切にされなければなりません。しかし、「わたしたち皆がともに暮らす家」である地球は、人間の手によって蹂躙されて苦しみ、そのうめく声は、世界中のうち捨てられた人々の嘆きと重なっています。今日の日本にも、いのちと平和に関する諸問題が山積しています。経済、環境、近隣諸国との関係といった問題のほか、大規模な天災や原発事故からの復興も、持続的な課題として存在しています。
 わたしたち日本の教会は、あらゆるいのちを守り、人間の生の諸問題に真摯に取り組むべく努めています。キリストが示されたいのちの福音を告げ知らせ、キリストによる平和のために祈り働くその決意を、教皇来日のテーマは表しています。

 このロゴマークには、教皇フランシスコ来日のテーマである「すべてのいのちを守るため」という想いが込められています。自然豊かな日本をかたどった緑の炎は、日本の教会の礎である殉教者の赤い炎と、全人類を子として抱く聖母マリアの水色の炎と一つになって、希望の福音を告げ知らせる使命を表現しています。そして、太陽をイメージした赤い円は、分け隔てなく愛をもって、すべてのいのちを包み込んでいます。