2019年11月  5.教皇による祈りの世界ネットワーク
 教皇が来日しました。核兵器の廃絶を訴えて、歴史上で実際にその被害に遭った広島と長崎を訪問します。そして、長崎と東京でミサをささげ、この願いとともに私たちの生活を正義と平和の促進のためにささげることができるように、ともに祈ります。
 教皇は、常日頃から祈りの力について語っています。祈りは、私たちの心と神の御心とを重ね合わせて、私たちの願いを神に語り、神の願いを心を澄ませて聞き分ける営みです。この営みが紡ぎ合わされて束となったとき、神は、すべての困難を越える力を注ぎ、私たちの願いを聞き入れてくださると、言っています。この教皇の祈りの力への信頼と、ゆるぎない神への信頼に支えられながら、私たちが日々営んでいる祈祷の使徒の「きょうをささげる」の活動が進められているのです。
 私たちの切なる願いが、紡ぎ合わされて大きな力となるようにと、教皇は月々に祈りのテーマ、つまり、私たちが心を合わせて願い求めるべき正義と平和の推進のための課題を、祈りの意向として掲げています。祈祷の使徒(apostleship of prayer)の名称を「教皇による祈りの世界ネットワーク:Pope’s Worldwide Prayer Network」に変更したのには、このような教皇フランシスコの思いがあってのことでした。
 教皇は過密な日程を終えて日本を離れることになりますが、私たちに日々の生活の中でともに祈ってほしいと願って掲げているその月々の意向に心をとめて、祈りを紡ぎ合わせて参りましょう。38年ぶりの教皇の日本訪問に励ましをいただきながら、これからもずっと、教皇の意向、日本の教会の意向を心にとめながら、一日を奉献する日々を重ねて参りましょう。