2019年12月  4.一年を振り返る
 2019年が終わろうとしています。38年ぶりにローマ教皇が日本を訪問され、「すべてのいのちを守るため」をテーマとして、各地で精力的に人々と交わられました。カトリック教会だけではなく、多くの日本人が、また日本で暮らすたくさんの外国籍の方が、感銘を受けました。長崎、広島を訪問された教皇フランシスコは、スピーチの原稿になかった「核兵器を保有することも倫理に反します」と述べて、各国が強い意志を持って行動に移すようにと呼びかけ、核のない社会の実現を強調されました。
 このように、カトリック教会にとって大きな出来事があった2019年を、今、ていねいに振り返ることは、日々出会う人と神とに自分自身をささげて、誠実に歩もうとする私たち一人ひとりにとって、とても大切なことです。日々、私たちを導き、励ましてくださる大いなる神の現存を、しっかりと確認できるよい機会です。
 まず、この一年を1月からゆっくりと振り返って、どのような出来事があったかを思い起こします。そして、いちばん心を動かされた出来事に留まって、その時の心の有様をもう一度味わい直してみます。もしその出来事を思い起こすことが辛くても、その出来事を通して神が自分にどのようなことを気づかせようとしておられたかを感じ取るために、神のいつくしみに信頼をおいて、神とともに出来事を振り返ってみましょう。
 神からのメッセージは、私たちの心に届きます。初めは言葉にならない、微妙な感覚です。あえて言葉にするなら、ドキドキ、ザワザワ、ハラハラ、ホカホカなどの、重ね言葉のような感覚です。心がその感覚を受け止めたら、その中に何か神が自分に伝えたいことが隠されていないか、思い巡らしてみましょう。
 その出来事を通して、神と交わることができたでしょうか。日々、朝に神と出会う人びとに自分をささげ、夜にその一日を振り返るように、年の初めには、その一年の自分の生活をささげる決意を神に伝え、また一年の終わりには、いただいた恵みに感謝して「ありがとう」を、そして、至らなかった点や、悪の誘(いざな)いに負けてしまったことに「ごめんなさい」を、そして来る年も日々ともにいて支え導いてくださるように「よろしくおねがいします」を、心の中で神に向かって語りながら、この一年を閉じることは、「きょうをささげる」の生き方にぴったりと重なるものとなるでしょう。
 ていねいにこの一年を振り返ることと致しましょう。