2020年1月 3.一致の力で平和を |
今月の18日から25日は、キリスト教一致祈祷週間です。カトリックでは教皇庁キリスト教一致推進評議会が、そしてプロテスタントでは世界教会協議会(WCC)が、1968年以来毎年テーマを決め、「礼拝式文」と「8日間のための聖書と祈り」を作成しています。今回のテーマは、「人々は大変親切にしてくれた」(使徒言行録28・2参照)です。今年は、マルタ・カトリック司教協議会とマルタ島とゴゾ島の諸教会からなるマルタ・エキュメニカル協議会(クリスチャン・トゥゲザ・イン・マルタ)が立ち上げた準備委員会(編成:カトリック教会、メソジスト教会、イングランド国教会、ロシア正教会、ギリシャ正教会、ルーマニア正教会、福音ルーテル教会)が資料作成を担当しました。 日本でも、世界に広がる教会と心を合わせてキリスト者の一致を祈るため、カトリック中央協議会と日本キリスト教協議会が共同で翻訳した資料を小冊子『キリスト教一致祈祷週間』として発行しています。 さて、教皇は「きょうをささげる」の今月の意向で「世界平和の促進」を掲げ、その担い手になるのは、カトリックの信徒ばかりではなく、「キリスト者、諸宗教の信奉者、また善意あるすべての人」としています。平和への願いは、宗教を超えて、民族を超えて、そして文化を超えて、すべての人が抱く、人類共通のものなのですが、様々な利害の対立から、物理的暴力を用いて自分の側の利益を確保しようとする武力の行使が、いまだにやむことはありません。自分の側の利益だけでなく、相手の利益も最大限にするためにどのようにすればよいかという発想、世にいう「ウィンウィンの関係」を目指す対話で、一つひとつの課題を解決していく努力が求められるわけですが、その心は今回のキリスト教一致祈祷週間のテーマに表わされた「人々は大変親切にしてくれた」に通じています。 ですから、できれば、8日間の祈りのプログラムに加わって、キリストに従いたいと願うすべての人と心を合わせて、祈りの一週間を過ごしてみてはいかがでしょうか。神の栄光が、平和のうちに輝きますように祈りながら、日々を重ねてまいりましょう。 |