2020年4月  2.パンデミックの終息
 新型コロナウイルスの感染症は、世界に瞬く間に広がり、人類にとっての脅威となっています。教皇フランシスコは3月末に、「きょうをささげる」の特別の意向として「パンデミックの終息」を掲げて、ともに祈りをささげるように、世界中の人々に呼びかけました。
「病いの人々、苦しんでいる人々のためにともに祈りましょう。」
「聖なる神の御母よ、あなたのご保護のうちにわたしたちは身を寄せます。」
「試練の中で祈るわたしたちを見捨てないでください。」
「栄光ある、祝福されたおとめよ。」
「あらゆる宗教の人々と心を合わせ、今この時に祈る、善意あるすべてのキリスト者、すべての男女に感謝します。」

 パンデミックとは、ギリシャ語のpandēmos (pan-「全て」+ dēmos「人々」)を語源としていて「すべての人」という意味で、感染症の世界的な流行を指す言葉です。今回の新型コロナウイルスによる感染症は、中国の武漢でその発生が確認されましたが、初めはこれほど急速に世界中に拡がるとは誰も想像していなかっでしょう。すでに様々な角度からこのウイルスについての研究や感染症対策がなされていますが、この目に見えない人類にとっての脅威は、感染力が強くしかも病状が現れていない感染者からも伝染するという、とても厄介な性質をもっていることが特徴です。自分が感染していることを自覚しないまま、他の人に感染させてしまっていることがあるので、感染経路を特定することが困難な状況をもたらしていて、感染が爆発的に拡大しています。
 新しい門出の季節となって、希望に胸を膨らませているたくさんの若者は、普段どおりの生活が困難な状況に置かれています。高齢者は感染すると重症化していのちの危険にさらされてしまうので、不安な日々を送っています。医師を初めとする医療従事者は、献身的に治療や予防にあたっています。教皇の特別メッセージを心にとめ、その言葉にあるように「あらゆる宗教の人々とこころを合わせ」パンデミックの早期の終息を祈ってまいりましょう。