2020年5月 2.私に対する神の望み |
日本の教会は「召命」を意向として取り上げました。復活節第4主日は、福者パウロ六世教皇によって1964年に「世界召命祈願の日」に制定され、今年は5月3日にあたります。カトリック教会情報ハンドブックには、この祈願日について次のように説明がなされています。 「神は、すべての人が誠実に自分の生涯を送るように招いています。ある人は、社会の中のさまざまな職場で働く人として、また、夫、妻、父、母としてよい家庭を築くように、そしてある人は、神と人とに仕える司祭、修道者となるように招かれています。神の招きはこのように人それぞれ異なりますが、自分に対する神の望みを祈りつつ探していくことが大切です。」 私たち一人ひとりは、その人にふさわしいかたちで、神と人々に仕えるように招かれています。「私に対する神の望み」は、祈りの中の神との対話によって示されます。ですから、司祭や修道者として、神の国の建設のために生涯を捧げることを選び取ろうとしている若者の多くは、大黙想と呼ばれている30日間の祈りのプログラムの中で、固有の召命を識別し選定して、その生活様式に歩みを進めるのです。 司祭や修道者への道だけが召命ではありません。第二バチカン公会議は、洗礼によってキリストのいのちに結ばれた者はすべて、教会と社会に奉仕するように招かれていると教えています。それは、信徒の召命と使命という文脈で語られます。神の望みは豊かな広がりの中に示されますが、そのすべてを一人の人間で担うことなど到底できることではありません。祈りの中で神の願いを聞き分けていくと、「あなたにはこれをお願いしたい」ということばを受け取ることができると言われています。ですから、神と対話としての祈りが、神が私に、召された命をどのように使うことを望んでいるかを、聞き分けなければなりません。 世界召命祈願の日を機会に、一人でも多くの若者が、司祭、修道者への道に喜びを見いだすことができるようにと祈るとともに、神が私に何を望んでおられるかを祈りの中で静かに探し求める一週間といたしましょう。 |