2020年8月  2.パンデミック後の選択
 日本の教会は、「平和への決意」を今月の意向として掲げて、「戦争、人身売買、差別といった、神の子としてのいのちを傷つけ、平和の実現を妨げるすべての暴力に対抗していくことができますように。」と祈ることを奨めています。8月6日から15日までの日本カトリック平和旬間の期間に、心を合わせて祈りのうちに過ごしましょう。
 例年は、各教区で平和のための様々な行事が開催されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、そのほとんどが中止となってしまいました。ミサでさえも参加人数を制限して行わざるを得ない、この「ウィズ・コロナ(コロナとともに)」の社会状況のもとでは、一人ひとりの祈りをもって、平和への道筋を確たるものにしていくことが求められています。祈りは時間と空間を超えて響き合い、暴力の源で力を振るっている悪を退ける力となります。
 この6月に、バチカン出版局から、教皇フランシスコが語られた、あるいは記された8つの重要な文書をまとめた ”Life after the Pandemic” が刊行され、カトリック中央協議会から訳書『パンデミック後の選択』が7月に刊行されました。この本の編纂にあたったマイケル ツァーニー枢機卿は、本書の目的の一つを「この人類の危機から生まれうる、よりよい世界を築くための方向性、手掛かり、指針の提言」としています。そして、「皆さんのために祈ります。皆さんとともに祈ります。・・・」という教皇の言葉を紹介しています。
 教皇はツイッターに「この8月6日で、広島への原爆投下から75年目を迎えました。この日にあたり、軍拡競争に費やす資金や資源を、むしろ総合的な人類の発展と環境保護のために使用することができると、また、そうするべきだということを思い返しましょう。」と投稿しています。私たちもこの平和旬間を教皇とともに、日本の教会とともに、平和への祈りをささげるひとときと致しましょう。