2020年8月  3.重油の流出事故
 今月は、海で働く人たちのために祈りをささげています。
 その最中に、インド洋の島国モーリシャス沖で7月25日に座礁した海運大手の商船三井が運航する貨物船から、1000トンを超える量の重油が流出した事故のニュースが届きました。貨物船はパナマ船籍で、インド人やフィリピン人など20人が乗船していたとのことです。流出した重油は、観光が主要産業のモーリシャスの海岸に打ち上げられ、砂浜もまたマングローブの森も、真っ黒に汚れてしまい、生態系を破壊してしまうことになりました。美しい海辺を取り戻すのには、数十年の歳月が必要だとの報道もなされています。海岸でも海上でも重油の回収作業が進められていますが、8月14日の段階でまだ半分ほどにしかなっておらず、それから先の回収は困難を極めるようです。
 事故は、人間の慢心に起因すると言われています。そして、「起きるはずがない」ことがひとたび起きてしまうと、被害は甚大なものとなります。事故の後始末には、たくさんのボランティアがかかわることになることが多く、今回も、素手で真っ黒な重油をバケツにくみ上げる人々、乾燥した草の茎を布製の袋に詰めた手作りのオイルフェンスを海に浮かべて岸から遠ざける作業などの映像が、数多く届けられました。
 今週は、海で働く人々が、事故を起こすことがないように、細心の注意と謙虚さをもって作業にあたるようにと、祈りをささげましょう。また、献身的に奉仕するボランティアの方々が、健康を害することのないよう、また、新型コロナウイルスに感染しないよう、神に祈り願って過ごしてまいりましょう。