2020年8月  4.サティヤグラハ
 サンスクリット語の「サティヤグラハ」は、マハトマ・ガンジーによって唱えられた非暴力抵抗運動です。ガンジーは次のように述べています。

 サティヤ(「真理」を意味する)という言葉は愛(非暴力)を暗示しており、アーグラハ(「主張」や「懇願」を意味するがガンジーは「堅持していくこと」と説明)を生み出す。したがって「真理」は「力」の類義語としての機能を持つ。
 こういう理由から私はインドの独立運動をサティヤグラハと呼ぶようになった。サティヤグラハには真実(正義)と愛(非暴力)から生まれる力という意味が込められている。


 そして、これを政治闘争のためだけはなく、不正義、悪徳に対する普遍的な解決策として人々に伝えるために、次の10の原則に従うようにと説きました。
1.非暴力
2.真理:正直であることはもちろん、真理に寄り添って生きること
3.盗まないこと
4.貞潔:性的な欲求のみならず、サティヤへ没頭するために我欲を戒める
5.非所有:貧困とは区別される
6.額に汗して働くこと
7.味覚を制御すること:必要最低限の食事で満足すること
8.恐れを捨てること
9.全ての宗教を同様に敬うこと
10.不買運動といった経済的戦略を用いること

 さて、日本の教会は、広島、長崎への原爆投下を思い起こし、悲惨な戦争を起こす過ちが二度と起きないようにと「きょうをささげる」の意向として「平和への決意」を掲げました。そして、「平和の実現を妨げるすべての暴力に対抗していく」とし、暴力が平和を破壊する根源であることを示唆しています。
 身近で起きている小さな暴力も、ミサイルを発射して都市を破壊する大きな暴力も、決してゆるされるものではありません。ガンジーが説く10の原則を、自分の生き方に反映することができますようにと願い、また、具体的な行動の中ではできる限り10の原則を守ることができるようにと願い、自分自身の「平和への決意」を確かめる日々と致しましょう。