2020年11月 1.パパモービル |
今年も11月、死者の月を迎え、2日の死者の日には、復活の希望を持って眠りについたすべての人のために祈りがささげられます。例年ですと、11月の意向には死者への祈りが取り上げられてきましたが、教皇も日本の教会も、新たな視点で意向を示しています。それらの意向を日々心におきながらも、死者の月であることを意識して祈りをささげてまいりましょう。 さて、日本の教会は、日韓司教交流会がコロナ禍の影響で中止になったため、新たに「教皇訪日一周年にあたって」と題して意向を掲げました。教皇が重ねて語られた「すべてのいのちを守る」ことを日々祈り願って過ごしていくことを心がけましょう。 ところで、教皇が昨年の東京ドームでのミサの時に乗車されたオープンカー(パパモービル)は、トヨタが2014年に開発した燃料電池自動車(FCV)「ミライ」だそうです。水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使ってモーターを動かす仕組みで、化石燃料を使わない地球に優しい次世代の自動車として期待されています。そのパパモービルは、教皇に贈呈され、最近ローマまで輸送されたのですが、ローマには水素を供給する水素ステーションがないため、イタリアのトヨタがその対応にあたっているとのことでした。 日本では、燃料電池自動車の普及のために、各地で水素ステーションの整備が進められています。まだまだその数は少ないのですが、2019年12月現在、全国で112ヵ所開業しています。また、燃料電池自動車と並んで、排気ガスを全く出さない電気自動車(EV)の開発・普及も進んでいます。水素ステーションと同じように、充電スタンドの普及が欠かせません。水素ステーションのような大がかりな設備は不要ですが、充電はガソリンのように数分ではできません。ですから、電気自動車の普及と共に、たくさんの充電スタンドが必要となります。 まだまだ、ガソリンや軽油を燃料としている自動車が主流ですが、私たちの生活様式を少しずつでも変えていかないと、地球は滅びてしまいます。自動車の開発と共に、それを使うためのインフラの整備が欠かせないことも、パパモービルの話題が教えてくれました。私たちの便利な生活を支えている自動車の未来について学びながら、地球に優しい生活を心がけて過ごしてまいりましょう。 |