2020年12月 3.祈りの振り返り |
教皇は今月の意向「祈りの生活」で「イエス・キリストとのパーソナルなかかわり」について触れています。祈りは、いのちをいただいた時から今に至るまで、絶えることなく続けられている、自然な営みです。そして、その営みが、自分と神との間で互いの思いを伝え合う関係として、意図的になされる時に、私たちが教会で使っている狭い意味での「祈り」となります。 祈りは豊かで、たくさんのことを気づかせてくれるのですが、その恵みは時が移ろうに従って、だんだんと薄れ、やがて消えていってしまうこともあります。一つひとつの祈りの恵みを、心の引き出しに整理してしまっておくことができれば、同じような体験をした時にその時の恵みを思い起こすことができるでしょう。そのためには、祈りを「振り返る」時をもつことが肝要です。場所を変えるなどして、祈りの時にどのようなことが起きたのかを、別の自分から眺めてみます。そして、祈りの中で神が私に何を気づかせようとしたのかを思い巡らします。イエスが私に何を気づかせようとしたのか、その中にどのような神からのメッセージが隠されているかについて、深めてみることも大切です。 そして、できればその振り返りを書き留めておくと、祈りが積み上げられていき、だんだんと神の思いと自分の思いが近づいてくると感じられるようになります。まさに、教皇が示している「イエス・キリストとのパーソナルなかかわり」が実感できるのです。 一日を振り返ることも、生活を整える上でとても役に立ちます。「きょうをささげる」の表紙にあるように、一日を閉じる時にその日をていねいに振り返ることが大切なのです。そして、振り返りで気づいたことの要点を書き留めていくことも、昨日よりも今日、今日よりも明日、よりキリストに近づくために、大いに役立ちます。 祈りの振り返りを大切にして、この一週間を過ごしてみましょう。 |