2021年1月  2.コロナ禍の霊的生活
 新型コロナウイルス感染症の大流行は、終息の兆しが見えません。ウイルスに感染していても発症しないまま通常の生活を送っていて、知らないうちに他の人に感染させてしまうといった、このウイルスの特徴が、爆発的流行の原因になっていることがはっきりとしてきました。ワクチンと治療薬が普及するまで、できる限り感染者の数を増やさないためにも、基本的な対策、つまり、手洗いを励行し、マスクを着用し、不要不急の外出を控えることが肝要です。信仰生活では、他の人とのかかわりがとても大切にされていますが、もうしばらくの間の我慢が求められます。
 日本の教会は意向として、大流行に際して「共通善のもとに連帯し、協力していく」ことの大切さを掲げています。宗教を超えて、すべての人類が立ち向かうべき共通の課題に、心を合わせて取り組んでまいりましょう。
 ところで、感染しても発症しない人と、発症してしかも重篤になってしまう人とは、どのような相違があるのかについても研究が進められ、どうやらそれは自らがもつ免疫力の違いであることが少しずつ分かってきました。体内にウイルスが侵入すると、それを排除しようとするメカニズムが働きます。それが正常に働くためには、身体を健康に保っておくことが肝要なのです。基礎疾患がある人、高齢の人は、免疫力が下がっているので、発症し重症化する確率が高くなるのです。とはいうものの、免疫力は、規則正しい生活と健康に配慮した食べ物、そして安定した精神状態を保つことによって、必要な量が確保されるとも言われています。
 大流行が終息に向かうようにと心を合わせて祈りをささげるとともに、一人ひとりが感染しても発症しない丈夫で健康な身体を保つように心がけたいものです。そのために、是非「きょうをささげる」で提唱している、朝の奉献の祈りと夜休む前の究明の祈りを励行するようにしてみましょう。
 特に、究明の祈りでは、その日にいただいた恵みもその日に被った苦しみも悲しみも、すべて神にお返しして、次の日新たな心と身体をいただいてスタートできるように祈ることによって、ストレスのない状態に立ち戻ることができるようになるはずです。丈夫な心と身体を保つために、霊的にも規則正しい生活を心がけて過ごしてまいりましょう。