2021年2月  3.ジェンダー平等を実現しよう
 女性に対する差別的な発言をめぐって、日本での女性に対する意識が世界水準にくらべて低いことが指摘され、世論はこの問題を大きく取り上げている昨今です。日本で女性に参政権が与えられたのが1946年、男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年であり、その法律の中でセクシュアルハラスメントが雇用管理上の配慮義務から一歩立ち至って措置義務へと改定されたのは2007年のことです。このように、ジェンダーの平等については、実に今日の社会が取り組まなければならない大きな課題の一つなのです。
 標題に掲げた「ジェンダー平等を実現しよう」は、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の17の取り組みの5番目に取り上げられている課題です。SDGs は、2001年に策定され2015年に達成期限を迎えたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として2015年9月の国連サミットで採択された国際目標「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核で、2016年から2030年までの期間で達成を目指しています。具体的に17のゴールと169のターゲットから構成され、「地球上の誰一人として取り残さないこと」を誓い、SDGsは発展途上国のみならず先進国自身が取り組む普遍的なものとされています。

5番目のゴールの内容を以下に記します。
5 ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
5.1 あらゆる場所におけるすべての女性および女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
5.2 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性および女子に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
5.3 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚、および女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。
5.4 公共のサービス、インフラ、および社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参加および平等なリーダーシップの機会を確保する。
5.6 国際人口開発会議(ICPD)の行動計画および北京行動綱領、ならびにこれらの検討会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康および権利への普遍的アクセスを確保する。
5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ、および土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
5.b 女性のエンパワーメント促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。
5.c ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性および女子のあらゆるレベルでのエンパワーメントのための適正な政策および拘束力のある法規を導入・強化する。

 今週はSDGsに関心を寄せ、その中で位置づけられているジェンダー平等について、しっかりとした自分の考えを整えることと致しましょう。