2021年3月  1.和解の秘跡
 教皇は福音宣教の意向として「和解の秘跡」を取り上げ、私たちがそれを「新たな深みで体験することができますように」祈ることを奨めています。
 今週は、先週も取り上げた「ゆるしの奉献文」の叙唱に続く、奉献文をゆっくりと味わうことで、和解がもたらす平和への道が、神の恩寵によって与えられる賜物であることを確認致しましょう。ゆるしの奉献文 二 は、以下のように唱えられます。
 「聖なる神よ、あなたは和解の恵みを与えるため、救い主を遣わしてくださいました。 キリストこそ救いのみことば、罪びとに差し伸べられる手、まことの一致への道です。あなたから遠く離れていたわたしたちが、キリストによって、あなたのもとに立ち帰り、互いに愛し合うよう、あなたは御子を死に渡されました。この和解の神秘を喜び祝い、あなたに祈ります。」
 そして、奉献文に続く記念唱では、次のようになります。
 「いつくしみ深い父よ、御子はこの愛のしるしを教会に残されました。今、わたしたちは、主・キリストの死と復活の記念を行い、和解をもたらす、まことの供えものをささげます。聖なる神よ、御子とともに、わたしたちを受け入れてください。この食卓にあずかるわたしたちに聖霊を注ぎ、分裂の痛みをいやしてください。」
 ミサで司祭が唱える奉献文ですが、その一言一言をゆっくりと味わって、私たちの知恵や努力では解決の糸口が見つからない争いごとに、神が和解の恵みを与えてくださるように致しましょう。秘跡、サクラメントは、「神の恵みを直接人間に伝えるもの」「キリストの神秘を目に見える形で現在化する特別な儀礼」です。標題にあるように、教皇が和解を秘跡としてとらえようとしている思いを感じ取ることができるようにと願って、祈りの日々を送ることに致しましょう。