2021年6月  2.司祭・修道者の召命
 日本の教会の意向は「召命」で、心を合わせて「高齢化していく日本の教会の中で、若者がキリストの呼びかけに応え、神の民に奉仕することができますように」と祈ることを奨めています。
 教会生活の中で、この数年に感じることは、メンバーが高齢化し、一方で若者を見かけなくなったことです。日本社会全体が少子高齢化しているわけですから、教会も決して例外ではないのですが、とても寂しく思われます。さらに、生活のすべてを神に奉献することを宣立したシスター方も高齢化が進み、また人数も減少していることを肌で感じます。そのような状況を鑑みて、今月は若者が「召命」の道に招かれますようにと祈ることが、意向として掲げられたのでしょう。
 では実際に、日本のカトリック教会の司祭・修道者は、どれほど減少しているのでしょうか。司教団が毎年発表している「カトリック教会現勢」の統計資料を用いて、それを確かめておきましょう。経年変化を比較するために、神学生、男女修練者、女子修道者(シスター)の人数を2000年から5年刻みに2015年までとその後統計が示されている2019年までの毎年のデータから拾って表にしてみました。2000年から2015年にかけて極めて急激に減少し、神学生は半数以下に、日本国籍の女子修練者は5分の1以下になっていますが、2015年以降は減少傾向が落ち着いて、あまり変化がないことが分かります。しかし、シスターの人数は毎年確実に減少し、2000年には6,430人でしたが、約20年経過した2019年には1788人も減少して、4,642人になってしまっています。
 日本の教会が担う教育、医療、福祉の使徒職の分野は、シスター方の働きによるところがとても大きなものでした。その働きに感謝し、あわせて若者が神との交わりの中で召命の道についてより深い識別を行うことができるようにと、心を合わせて祈りをささげてまいりましょう。