2021年9月  1.小さないのちの尊重
 教皇も、そして日本の教会も、9月の意向として地球の環境問題を取り上げ、持続可能な発展に合わせて私たちの行動様式を変更するように呼びかけ、またそのために共に祈りをささげることを奨めています。その中にあって、日本の教会は毎年9月を「すべてのいのちを守るための月間」と定め、教皇は9月の第1日曜日を「被造物を大切にする世界祈願日」としています。
 この夏、各地で体温を超える異常なほどの気温が記録されましたし、梅雨明け後も再び停滞前線とそこに向かって流れ込む湿った空気の影響で、例年の1ヵ月分の2〜3倍の雨量がほんの数日のうちに記録されてしまうような豪雨も経験しました。地球の温暖化による気候変動は、日々の生活にも大きな影響を与えるほどになっています。
 このような状況の中で、私たちが心掛けなければならない課題は、弱い立場におかれた人々への配慮です。10年前の東日本大震災の時も、子どもや高齢者、障害者や外国籍の人々は、情報を手に入れる場合でも、避難する場合でも、また緊急の援助物資を受け取る際にも、より多くの負担がかかり、また不利益をこうむってしまいました。日本の教会は、単にいのちが保護され、人間の尊厳が損なわれないようにと祈るだけではなく、「特に危機に瀕している弱く小さないのち」に心を向けるように促しています。
 日々の生活の中での、小さな細かな心遣いと、一人ひとりの具体的な行動が束になって、地球環境の保全、そして持続可能な発展の実現につながっていくのです。私たち一人ひとりが、精一杯自分の責任を果たしていくことが、切に求められています。
 エコロジーで古くから標語として掲げられてきた「Think Globally, Act Locally」、つまり、地球全体、宇宙全体、人類全体、被造物全体を思いの中に取り組みながら、自分が生きている場、関わっているその足元で具体的に行動することの大切さを、もう一度しっかりと確認して、小さないのちを大切にする日々を丁寧に過ごしてまいりましょう。