2021年9月  4.ラウダート・シのゴール「LSGs」
 世界の教会は、9月1日から10月4日まで「すべてのいのちを守るための月間」を歩んでいます。この機に教皇庁の人間開発のための部署からは今年のテーマ「皆のための家?神の住まいを一新する」が発表されていて、その内容は日本カトリック司教協議会会長談話としてカトリック中央協議会のサイトで紹介されています。
 https://www.cbcj.catholic.jp/2021/08/06/22929/
 その背景には、教皇が2015年5月24日、聖霊降臨の主日に公にされた教皇の回勅「ラウダート・シ」があり、また同年の9月に国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットである「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」があることは、よく知られていることです。
 ここに紹介するのはSDGsの語呂合わせのように思えるかもしれませんが、教皇庁の人間開発のための部署が示している回勅「ラウダート・シ」の具体的目標であるLSGs(Laudato Si Goals)の7項目です。 下記の引用は、東京大司教区広報による抄訳で、教区のサイトで閲覧することができます。
 https://tokyo.catholic.jp/info/diocese/42216/

 1.地球の叫びへの応答(再生可能エネルギーの利用拡大と化石燃料の削減、生物多様性の保護、清潔な水のへのアクセスの保証をめざすこと等)
 2.貧しい人々の叫びへの応答(人間を始め、地球上の全てのいのちを、特に、困難な状況に置かれている人々のいのちを守ること等)
 3.エコロジカルな経済 (持続可能で倫理的、公正な生産・消費活動を目指すこと等)
 4.シンプルなライフスタイルの採用 (資源やエネルギーの節制、使い捨てプラスチックの削減、植物中心の食生活、公共交通機関の利用等)
 5.エコロジカルな教育(総合的(インテグラル)なエコロジーの精神に基づいた教育によって、エコロジーの意識と行動を養うこと等)
 6.エコロジカルな霊性 (信仰のうちに神の被造物を想い、賛美と感謝、喜びのうちに自然と関わり、被造物を中心とした典礼や祈り、黙想、カテケージスを行うこと等)
 7.地域、国、そして国際的なレベルにおいて被造物を大切にするための、共同体への関与と参加型活動の重視(その地域の生態系に根ざした活動を奨励すること等)

 キリスト者として持続可能な開発目標に取り組む基本姿勢として、この7項目を心に留めながら、「すべてのいのちを守るために月間」を過ごしてまいりましょう。