2022年2月  2.使命への気づき
 コロナ禍が一向に終息に向かわない中、社会活動がますます制限され、子どもたちの日常生活へも大きな影響が及んでいます。友人たちとの交流はりもとより、学習環境も大きく変わりました。次世代を担う子どもや若者の将来に、今回のパンデミックが暗い影を残さないことを祈り願いたいものです。
 日本の教会は、子どもや若者が自らの役割に自覚することができるようにと、ともに祈ることを奨め、それが「御国が来ますように」という祈りに込められた神の国の実現に結びつくことを願っています。私たちは成長の過程で、自分の役割、つまり自分に与えられた使命への呼びかけにどのように気づき、それを受け止めるようになるのでしょうか。今週は、神の慈しみに触れ、その神と対話し、御国の建設のために神の道具となる道を選ぶプロセスについて、思いめぐらしてみましょう。
 私たちには、人生のどこかで、自分がいただいている命の尊さとその不思議さに気づき、それが神の業によるものだと分かる時があります。神の愛に触れた時です。その愛は、至らない人間だろうと、罪を犯した者であろうと、おかまいなしに無償で注がれていることにも気づきます。
 その神に、感謝をささげて、その偉大さを畏れ敬い、祈りの中で対話を重ねていくと、神が「私の望みをかなえるために手伝ってくれないか」と語りかける神の思いに気づき、ハッとさせられるのです。神はその瞬間に、その人を召し出され、ご自分の協力者として派遣されるのです。ここに使命への気づきがあるのです。祈りを深めていくと必ず、一人ひとりの固有の召命と固有の使命に結実するのでしよう。
 いま、使命への気づきのプロセスを大まかにたどってみましたが、この中で欠くことができない要素は、神との対話です。自分の望みや願いを神に語りかけ、そして神の望みや願いを心で受け止める対話が、使命への気づきには必要です。ですから、子どもや若者を自らの使命に気づくように導くためには、神と語り合うことの大切さを伝えなければなりません。神に願う一方通行の祈りではなく、神の願いも受け止めることができるような双方向の祈りを、子どもたちに伝えていくことを心にとめて、日々の生活を神とその日に出会う人々にささげてまいりましょう。