2022年6月  2.『ラウダート・シ』を思い起こす
 日本の教会は、「地球環境保護」を意向として掲げました。新型コロナウイルス感染症のパンデミック、ロシアによるウクライナ侵略など、昨今の世界情勢は地球環境に配慮したい私たちの望みとは真逆(まぎゃく)の方向を突き進んでいます。
 感染症蔓延防止のために、大量のプラスチック製品が、リサイクルされずに廃棄されています。注射器をはじめ、手袋や防御服など、ウイルスの付着から安全性を確保するには、焼却が最も衛生的だからです。感染症対策としては仕方のないことですが、リサイクル・リユーズを進めていこうとする私たちには逆風です。また、戦闘の現場は環境破壊そのものです。武器弾薬の使用、爆発、火災でも大量のCO2が発生します。戦闘機や戦車も化石燃料を大量に使用しますし、野山や田畑も破壊されます。
 この5月で教皇が回勅『ラウダート・シ』を発布して7年が経ちました。2020年からの1年間を「ラウダ―ト・シ特別年」とした時の教皇の祈りは、その基本理念を表し、私たちの思いを神にささげるものとなりました。この1週間は日々この祈りを唱えながら、合わせて環境破壊をもたらす2つの災い、パンデミックの終焉と戦闘の終結を願い求めることといたしましょう。
 2020年5月24日の「ラウダ―ト・シ特別年」の宣言ももう一度読み返すことをお勧めします。
 https://www.cbcj.catholic.jp/2020/05/24/20797/

祈り
いつくしみ深い神、
天地万物の造り主よ、
わたしたちの思いを解き放ち、心に触れてください。
あなたのたまものである被造物の一員でいられますように。
この過酷な日々の中で苦しんでいる人、
とくにもっとも貧しい人と弱い立場にある人に寄り添ってください。
感染症の世界的流行に立ち向かう中で、
創造的な連帯を示すことができるよう支えてください。
共通善を探し求めるために、
変化を受け入れる勇気をお与えください。
皆が互いに結ばれ、支え合っていることを
今ほど感じられるときはありません。
地球と貧しい人々の叫びに耳を傾け、
応えられるようにしてください。
今のこの苦しみが、
兄弟愛にあふれ、持続可能な世界を築くための産みの苦しみとなりますように。
扶助者聖マリアの優しいまなざしのもと、
わたしたちの主キリストによって祈ります。
アーメン。