2022年10月  2.看護師の夜勤
 日本の教会の意向は「医療従事者」のための祈りです。コロナ禍は少し落ち着きを見せてきましたが、医療機関はいつ次の波が来るか、また、インフルエンザの流行も予想される中で、一時も気を許せない状況の中にあります。感謝の気持ちを込めて、医療従事者のために心を合わせて祈りをささげましょう。
 病気や事故は、昼夜を問わず発生します。深夜になっても救急車のサイレンが聞こえることがありますし、病院の診察室、特に救急外来の部屋の灯りは、決して消えることはありません。夜通し働いている医療従事者のために、特に祈りをささげたいものです。
 病院での夜のシフト、どのようになっているのでしょうか。医療機関によって工夫されていますが、看護師の例をとって説明いたしましょう。
 1人の看護師に対して、日勤と夜勤を組み合わせて毎月の勤務体制(シフト)が組まれ、夜勤は労働基準法の深夜労働時間帯(22時〜翌朝5時)を含む勤務です。そして、2交替制あるいは3交替制と、それぞれの医療の中身にあった勤務時間と勤務体制を採用します。2019年度の調査によると、2交替制のみの施設が20.9%、3交替制のみが42.8%、2交替制と3交替制が混合している施設が36.3%となっています。
 2交替制では、日勤が8時〜17時の8時間勤務で休憩が1時間、夜勤が16時30分〜翌朝9時の16時間勤務で休憩が2〜3時間となります。一般的な7日間のサイクルは、日勤・夜勤・夜勤明け・休み・休み・日勤・日勤となり、夜勤明けの休みを2日連続で取ることができます。夜勤で長時間働くため、身体を回復させる必要があるためです。夜勤回数は月平均4回となっている病院が多いようです。
 3交替制の場合は、日勤が8時〜16時30分、準夜勤が16時〜24時30分、深夜勤が24時〜翌朝8時30分で、それぞれ8時間の勤務です。2交替制での夜勤が、3交替制では準夜勤と深夜勤に分けられていると考えると分かりやすいでしょう。一般的な7日間のサイクルは、日勤・深夜勤・夜勤明け・日勤・準夜勤・準夜勤・休みとなります。2交替制と比較して夜勤回数は多く、月平均7回です。しかし、約2割の看護師が月9回夜勤をしており、とくにICUやCCUなどの病棟では夜勤回数は多い傾向がみられます。
 夜勤や交替制勤務は、人間の生体リズムに合っていない働き方のため、看護師の心身への負担が大きいことは明らかです。しかし、病棟で働く常勤看護師は、交替勤務を避けることができません。
 このように、一般人が就寝して心も体も休息をとっている時間帯に、命を守るために働いている人がいることを忘れずに、就寝前には、その時に夜勤についている方々に思いをいたし、感謝の祈りをささげて、この一週間を過ごしてまいりましょう。