2022年10月  4.高齢者のための医療
 これから冬に向かって、コロナ禍の第8波が懸念されています。屋外でのマスクの着用が義務でなくなり、移動の制限が緩和されて国内外の旅行も奨励されるようになりましたが、高齢者施設や病棟では、未だに厳格な感染防止対策が取られています。
 施設や病院で過ごすことを余儀なくされている人は、行動が制限されたり、面会が許されなかったりと極めて不自由な生活を続けています。基礎疾患がある人や高齢者は新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいことが明らかになり、感染後にウイルスが検出されないまでに回復しても、体力を消耗していのちを縮めてしまうこともあるからです。
 このような状況は、高齢者のための医療に従事している方々に、過重な負担を負わせている現実があります。医療や介護に加えて、ウイルスの感染予防、拡大防止に、細心の注意を払わなければならないからです。目に見えないウイルスを相手にした戦いですので、疑心暗鬼になって、さぞ神経をすり減らしていることでしょう。
 日本の教会の意向は「医療従事者」で「病床にある人や高齢者のために働く人々が、看護や介護を通して神の愛を伝えることができますように」と祈るように奨めています。いのちのために自分を差し出す看護・介護の働きそのものは、愛の現れです。その医療従事者にも、そしてその世話を受けている人にも、神の慈しみは絶えず惜しみなく注がれています。
 ともに祈りましょう。医療や介護に携わる人に、休息の時を与え、安息と平和のうちに、あなたの愛に生きる喜びを与えてください。そしてその愛が、世話を受ける一人ひとりにしみとおっていきますように。