2023年1月  1.世界平和の日
 「恐怖に、苦痛に、諦めに、身をすくめていてはなりません、飽きてはなりません、くじけてはなりません。」1月1日の「世界平和の日」にあたっての教皇のメッセージの中のことばです。私たちは戦争・紛争の終息を願って祈りをささげてきましたが、新しい年を戦火の中で命の危険にさらされながら迎えた方々がいます。その方々への励ましとも受け止めることができる教皇のことばに重ねて、自らの一年の計を思いめぐらす日々といたしましょう。
 教皇は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大を次のように振り返っています。少し長くなりますが、ここに引用いたします。
 「COVID-19の遺産として残された最大の教訓は、わたしたちは皆互いを必要としているという気づきであり、とてももろいものであるとはいえ、わたしたちの最大の宝は、等しく神の子どもであることに基づく人類の兄弟愛だという気づき、そして、だれも一人で救われることはないという気づきです。ですから、人類のこの兄弟愛の道をたどるという普遍的価値観をともに求め、促進することを急がねばなりません。進歩、テクノロジー、グローバル化の効果、これらに寄せる信頼は過剰であったばかりか、個人主義と偶像崇拝への酩酊を引き起こし、正義、協調、平和という望ましい保証を危うくしていることも学びました。この目まぐるしい世界では、格差、不正義、貧困、排斥といった拡大してきた問題が、不安や対立をしばしばあおり、暴力や戦争までも引き起こしているのです。」
 日本は唯一の被爆国です。広島を訪問された教皇聖ヨハネ・パウロ二世は「戦争は人間のしわざ」とはっきりと語られました。日本の教会は意向としてこの言葉を思い起こすように促しています。
 神の母聖マリアの祭日のあたる1月1日は、「世界平和の日」でもあります。教皇のメッセージ、そして日本の教会の意向に思いをいたし、平和のため、特にウクライナとミャンマーの人々のために祈りをささげる一週間といたしましょう。