2023年1月 2.怒ってはいけない |
![]() 益子さんは、怒る指導によって失われるものを4つ示しています。第1はチャレンジ精神、第2は主体性、第3は学ぶ機会、そして第4は笑顔です。そして、怒る指導は子どものその後の人生にまで影響するといっています。 益子さんはあるインタビューの中で、「とはいえ、今まで怒る指導をしていた監督やコーチは、どうやったら怒らないで指導できるか、わからないのではないでしょうか」との質問に、「選手がミスをするって、実は指導者のせいなんですよね。私もサーブで怒られてから、サーブ恐怖症になりましたから。そこはむしろ指導者の腕の見せ所なんです。苦手な部分を楽しくチャレンジできるように工夫をしていかないといけない。たとえば違うアプローチから練習させるなどです」と答えています。怒らないでもきちんと指導できるのです。 「怒ってはいけない」のは、何もスポーツの指導だけではありません。子どもの成長を手伝う教育のあらゆる場面で、「怒ること」がよい指導方法だと思い込んでいる人たちがたくさんいますし、ときにはそれが体罰という人権侵害に当たる行為にまで発展してしまうこともあります。人を育てるときには絶対に「怒ってはいけない」のです。 教皇の意向は、「教育にたずさわる人たち」です。そして「とりわけ幼く傷つきやすい者の助けとなることができますように」と祈るように奨めています。「先生が怒ってはいけない学校」を実現させて、子どもたちにチャレンジ精神、主体性、学ぶ機会、そして笑顔をもたらすことができる環境が整えられるようにと、心から願いましょう。 |