2023年1月  4.キリストの平和
 毎年、この時期1月18日から25日までは、世界のキリスト教諸教会で「キリスト教一致祈祷週間」と定めています。カトリックもプロテスタント諸派も、その枠を超えて心を一つにして祈りをささげる運動が全世界で進められていて、日本各地でも、諸派合同の集会が展開されています。この日程は、1908 年にポール・ワトソンによって提案されたもので、 当時祝われていた聖ペトロの祝日と聖パウロの祝日の間の期間であり、日付そのものに象徴的な意味があります。
 そして今年は、アメリカ合衆国のミネソタ州の教会協議会が準備を担当して、イザヤ書の第1章から聖句を選び、テーマを17節の「善を行い、正義を追い求めなさい」としました。ミネソタ州は合衆国の中で最悪の人種間格差を抱えてきました。「わたしたち皆がキリストに属しているという現実を理解し経験することを妨げている分断」と小冊子には記されています(14ページ)。
 https://www.cbcj.catholic.jp/wp-content/uploads/2022/11/2023icchi_booklet.pdf
 分裂から愛による一致へと歩む道は、キリストの道です。キリストの平和とは、戦争や紛争がない状態を指しているのではありません。人々が善の行いに励み、正義を追い求めて、無償で自らの行いをささげ合いながら、愛のある生活を営んでいる状態を指しています。
 日本の教会の意向は「世界の平和」で、広島で教皇聖ヨハネ・パウロ二世が語った言葉「戦争は人間のしわざ」を思い起こして祈るように奨めています。人間のしわざであるということは、わたしたち一人ひとりのしわざであるとも捉えることができます。キリスト教一致祈祷週間の時の中で、善、正義、そして、キリストの平和について思いめぐらし、ともに祈りをささげることといたしましょう。