2023年2月  1.小教区とは
 イエス・キリストの生き方を模範として、神と人々に奉仕する生活を選び、洗礼の恵みにあずかったキリスト者は、同じ志を生きる人々のグループに所属して、ともに歩みます。イエスが天に昇られた後、弟子たちは「皆一つになって、すべての物を共有にし、財産や持ち物を売り、おのおのの必要に応じて、皆がそれを分け合った。そして、毎日ひたすら心を一つにして神殿に参り、家ごとに集まってパンを裂き、喜びと真心をもって一緒に食事をし、神を賛美していた」(使徒言行録2・44-47)と聖書に記されています。
 そのグループの特性から、人々の輪を「共同体」と呼ぶようになりました。そして、信仰によって生活を整えながら、イエスの生き方(福音)を人々に告げ知らせる使命をもって、活動しています。ですから、教会は「宣教共同体」とも表現されます。
 イエスの教えや神への信仰が、歪んだ形で伝えられてしまうことがないように、教会のリーダーたちは、キリスト者の信仰のあり方を確認するために集まって議論するための公会議を325年にニケア(ニカイア)で開催しました。そこで決められたキリスト教の教義は、今日の教会でも受け継がれており、カトリック教会では、その教義を「カテキズム」と呼んでいます。
 カトリック教会の統治の体系は、宣教共同体である人の輪としての教会を組織化した形で、バチカンにある教皇庁から、「教区」と呼ばれる当該地域を委ねられた司教へ、さらにそれぞれの「小教区」と呼ばれる単位教会を委ねられた司祭へ、そして信徒である私たち一人ひとりに連なっています。
 今月の教皇の意向では、この「小教区の教会」が取り上げられました。「交わりを中心に据えた小教区の教会が、信仰と友愛の共同体として成長」することができるようにと祈るように奨められています。世界中の小教区が、使徒言行録で示された使徒の共同体のように、喜びと真心をもってともに成長する共同体となりますように」ともに祈りをささげてまいりましょう。