2023年2月  4.難民のための緊急署名
 2021年に廃案になった入管法(出入国管理及び難民認定法)案とほぼ同様の内容の法案を政府が通常国会に提出する動きがあるとの報道を受けて、日本カトリック難民移住移動者委員会を含む「STOP!長期収容」市民ネットワークに参加する7団体は「難民、移民の人たちのいのちと尊厳が守られる社会の実現を求める声明」を発表し、1月27日より緊急署名の呼びかけを開始しました。
 この声明では、同法案は次の4点の重大な問題を含んでいると指摘しています。

・低い難民認定率に改善策をとらない一方、難民申請者の送還を可能にし、迫害を受ける恐れがあるのに難民を本国に送り返す。
・送還忌避罪を創設し、帰国できない事情があるため在留を希望する人に刑罰を加える。
・監理措置制度により、在留資格のない外国人について、その監視を支援者らが引き受けない限り解放せず、無期限の長期収容制度を存続させる。
・在留特別許可制度の縮小と、問題のある判断要素の法定で、同制度による救済を狭める。

 労働力不足のために、日本経済の多方面で課題が表出し始めています。トラックの運転手不足のための物流の停滞、建設現場での職人の不足による工事の停滞、医療現場における看護師の不足による医療の切迫等、私たちの生活に直結する領域でも、課題は深刻です。このことの根本には、移民は受け入れないという政府の基本方針があります。
 出生率の低下や、高齢化の問題が解決されない中、1)児童手当など経済的支援の強化、2)学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充、3)働き方改革の推進を標榜して、異次元の少子化対策を打ち立てているとはいえ、今年生まれた子どもが労働力として経済活動に参入できるのは20年も先のことなのです。政府の基本方針の変更が、大いに望まれています。
 さて、緊急署名は、2月28日が締め切りとなっています。日本カトリック難民移住移動者委員会のサイト(https://www.jcarm.com/2023/01/27/3041/)からオンラインでの署名が行えますし、署名用紙をダウンロードすることもできます。
 日本の教会の意向は「難民」です。心を一つにして祈りを捧げ、また難民支援の活動として一人ひとりができることを、実践してまいりましょう。