2023年3月  1.祈りと償いの日
 3月は、教皇の意向も日本の教会の意向も虐待被害者のために捧げられています。昨今、教会の中で起きた性虐待の事実が明るみに出て、世間を驚かせることになりました。教会で起こった醜い出来事を隠ぺいする体質の中で、これほどの数の人々が苦しみの中にあったのかを想像すると、心の底から痛みと悲しみが沸き起こります。
 日本の司教協議会は、四旬節第2金曜日が「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたっていることから、2月17日付で会長である菊地功大司教の名前で、呼びかけを発表しました。
https://www.cbcj.catholic.jp/2023/02/17/26524/
 そもそもこの祈りと償いの日は、教皇フランシスコが、教会全体で真摯に取り組み、その罪を認め、ゆるしを請い、また被害にあった方々の尊厳の回復のために尽くすよう求めて、全世界の司教団に通達したことにより始められました。司教団は、「教皇様の意向に合わせ、司教団とともに、祈りをささげてくださいますようにお願いいたします」と呼びかけています。冒頭でも触れましたが、教皇も日本の教会も取り上げている虐待の被害者のために、祈りをささげてまいりましょう。
 虐待を受けた方々の心のケアは、とても大切です。受けた心の傷、社会に訴え出ることができない孤独感、教会や聖職者に対する不信感などなど、癒しをいただかなければならない課題がたくさんあります。カウンセラーや心療内科などの専門家の助けをかりて、心の健康を取り戻すことが肝要でしょう。そして、何よりも神への信頼を取り戻すことが大切になります。神は私たち一人ひとりを無償の愛で包み込んでくださっていますが、私たち一人ひとりは、たびたび過ちを犯してしまう罪人なのです。愛された罪人である私たちをいつくしんでくださる神にすべてを委ねることができるようにと、祈り願いましょう。