2023年4月  4.カトリック教育のすばらしさ
 日本の教会は、カトリック学校を意向として掲げ、「カトリック教育のすばらしさを伝えるものとなりますように」と祈るように奨めています。カトリック教育のすばらしさは、何でしょうか。どのような場面で保護者や園児、児童、生徒、学生に伝えることができるでしょうか。カトリック教育の特徴は、どのように表現できるでしょうか。
 昨今、司祭・修道者の召命が減少し、数々のカトリック学校の運営が信徒や一般の方に委ねられる事態が起きています。少子高齢化社会となった日本では、子ども数の減少に伴って、私立学校の運営が難しくなっている中で、カトリック学校として存続していくためには、学校関係者だけではなく、教会全体がカトリック教育のすばらしさを理解しておくことがとても大切です。
 そのすばらしさの根幹には、神を畏れ敬い、日々を営んでいる「信仰生活」があります。神の存在を前提とする生活様式です。そして、神との対話、つまり祈りの中で、神が何を望んでおられるかを見極めながら識別を重ねていくスピリチュアリティ(霊性)を生きるという、謙遜な人の姿があります。
 この生き方の味わい、豊かさ、喜びを、子どもたちとのかかわりを通して伝えていく場が、カトリック学校にほかなりません。スピリチュアリティを育み、識別を生きる人に育てていくことが、すばらしさであり、私たちに与えられた使命でもあります。
 教育のカリキュラムの中で「宗教」という科目をおいて、授業の中で神の存在を伝えるだけでは不十分です。知識としての宗教は学べるかもしれませんが、授業の中で神と出会うことは難しいでしょう。むしろ、それぞれの場面で、大人がどのように神と対話しながら、かかわりながら生活を組み立てているかといった生き様を後ろから眺める中で、信じることのすばらしさが伝わっていくのでしょう。
 このようなすばらしさは、公立の学校教育では不可能な、むしろ禁止されている「神とのかかわり」にあることをはっきりと自覚し、祈りをささげるとともに、人々にも伝えてまいりましょう。