2023年8月  3.WYD Seoul 2027
 パンデミック後初めての開催となったWYD(ワールドユースデー)リスボン大会は、8月6日にテジョ公園で行われた教皇フランシスコによる記念ミサ(閉会ミサ)で幕を閉じました。「きょうをささげる」の教皇の意向にあるように、「若者たちにとって、生活の中で福音を生き証しするよい機会」となったことでしょう。
 記念ミサでの説教の後半で、教皇は2027年の国際大会の開催地を、韓国のソウルと発表しました。アジアでの開催は、参加者500万人を集めた1995年のマニラ大会以来2度目のことで、日本の隣国で開催されるこの大会は、日本の青年にとってとても良い機会になるでしょう。というのも、若者にとってヨーロッパへの旅行は、大きな経済的負担となるからです。今回のリスボン大会への公式巡礼団では45万円(燃料サーチャージや入出国税を含む)もの費用がかかっています。多くの若者を派遣するために寄付を募ったりミニバザーを開催したり、教会ではさまざまな援助活動が行われましたが、それでも参加するまでに越えなければならないハードルは高いものでした。ソウルへの格安航空券は4万円程度で購入できます。日本の若者が世界のカトリックの広がりに出会う機会となることを願っています。
 韓国のキリスト者数は、全人口の約3分の1を占めていて、仏教徒を越えて宗教人口全体の中で最大です。プロテスタントとカトリックの割合は、およそ2対1ですが、それでも400万人を超える数となり、日本のおよそ10倍のカトリック信者が暮らしています。人口比で見ても、日本は0.43%に過ぎませんので、韓国でキリスト教がいかに浸透しているかが理解されます。若者も、韓国から多くを学ぶことができるでしょう。
 リスボン大会の記念ミサを終えた教皇は、大会を支えたボランティアたちの集いに出て労をねぎらった後、特別機でリスボンを後にし、ローマへ戻られました。大会を見守り導いてくださった神に感謝をささげ、ソウル大会へ向かってまた歩みを始めるWYDのことを心にとどめて過ごす一週間といたしましょう。