2023年9月  3.最も暑い夏
 気象庁は、今年の6月から8月にかけての日本の平均気温が、1898年の統計開始以降で最も高くなったと発表しました。15地点の観測値による日本の平均気温偏差は+1.76℃となり、これまで最も高かった2010年(+1.08℃)を大きく上回ったそうです。また、7月16日から8月23日にかけて全国にある915の観測地点のうちの106地点で最高気温の記録を更新したことも発表されています。
 研究者は、地球の温暖化が進行したことを指摘し、台風の急速な発達や山火事の頻発などの自然災害を誘発する異常気象であることを指摘しています。この勢いで温暖化が進行すると、地球は悲鳴を上げ、人間が生息できる環境を維持することができなくなるでしょう。この気温の上昇の原因は、複合的な要素が絡み合っていて、どれが主な原因であるかを科学的に論じることはできないとのことですが、人間活動による大気中の温室効果ガス増加が元凶であることは、疑う余地のないことのようです。この地球の温暖化を止めるためには、国際社会全体でどのように「脱炭素化」を進めていくのかについて、これまで以上に真剣に取り組むことが求められます。
 日本の教会は、9月の第1日曜日を「被造物を大切にする世界祈願日」と定めており、今年のテーマはアモス書(5章24節)からとられた「正義と平和を大河のように」としています。これは世界的に展開されているキリスト教の超党派で行っている活動の一環で、祈願日を9月1日とし、10月4日までを「被造物の季節」(日本では「すべてのいのちを守るための月間」)として、様々な取り組みがなされています。
 日本の教会はこの活動に重ねて、意向に「すべての被造物」を掲げ、「地球温暖化を止めるために働く人たち」に思いをいたしながら生活することを奨めています。私たち一人ひとりが、地球温暖化を止めるために、何ができるでしょうか。ヒントは今年の祈願日に向けた教皇のメッセージに見ることができます。「決意をもってわたしたちは、自らの心を、ライフスタイルを、この社会を運営する公共政策を、変えていかなければなりません。」
https://www.cbcj.catholic.jp/2023/07/11/27371/
 「ラウダート・シ」に記された精神を思い起こし、私たちが担うことができる最大限の働きを心掛けて日々の生活を営んでまいりましょう。