2023年11月  4.教皇フランシスコ
 第16回代表司教会議(シノドス)の第1会期が終了しましたが、教皇フランシスコは世界で巻き起こっているさまざまな紛争に心を痛め、祈りの日々を送られています。今月の意向として教皇は自ら、「教皇」を意向として掲げ、ご自分の使命が全うできるようにと祈ることを、世界に広がる民の群れに願い求めています。
 今週は、教皇の歩まれた足跡をたどり、まぶたの中に優しい笑顔を思い浮かべながら、使命の達成はもとより、健康な日々を送ることができるようにと、祈りをささげてまいりましょう。
 教皇フランシスコは、1936年12月17日、アルゼンチンのブエノスアイレスで生まれました。間もなく87歳になります。名前はホルヘ・マリオ・ベルゴリオで、大学では化学を学んでいます。ベルゴリオは、1958年21歳の時にイエズス会に入会し、1969年12月13日に司祭に叙階されました。その間、哲学を学んだ後に、教壇に立って文学と心理学を教え、そして神学を学び学位を取得しました。
 修練期後、会の中では主に後進の指導に励み、修練長、神学科教授、管区顧問、神学校院長を歴任したのち、1973年4月22日最終誓願を宣立し、その年の7月31日、ロヨラの聖イグナチオの祝日に若干36歳でイエズス会アルゼンチン管区長に選出されました。管区長職を6年務めた後、サン・ミゲル神学校神学科・哲学科院長となり、1986年ドイツに留学して博士号を取得、帰国後サバドーレ学院院長を経て、コルドバで霊的同伴者、贖罪司祭として過ごしていました。
 1992年5月22日、ときの教皇 聖ヨハネ・パウロ二世よりブエノスアイレス補佐司教の任命を受け、6月27日に叙階されました。1997年協働大司教となり、前任者の帰天を受けて大司教になりました。2001年2月21日ヨハネ・パウロ二世により枢機卿に叙任され、2005年から11年までアルゼンチン司教協議会会長の責を全うしました。
 そして、前教皇ベネディクト十六世の退任の後に開かれたコンクラーベで、115名の教皇選挙権を有する枢機卿の中から、第266代教皇に選出され、フランシスコを名乗りました。2013年3月13日のことでした。南アメリカ出身者として、そしてイエズス会会員として、初めての教皇となりました。
 2019年11月23日から26日の訪日に際して、私たちに優しくそして暖かく接してくださった教皇フランシスコを思い起こし、世界中の兄弟姉妹とともに、日々祈りをささげてまいりましょう。