2024年8月 2.シャローム |
8月6日の広島被爆の日から、ポツダム宣言受諾を受けて終戦の詔書が発表された翌日の8月15日までは「日本カトリック平和旬間」です。1981年に聖ヨハネ・パウロ二世が広島で平和についてのスピーチを行った翌年から、この期間を平和のために祈る期間とし、さまざまな行事も行われるようになりました。世界の教会では、1月1日に世界平和の日が定められていますが、日本ではこの8月にも、平和のために祈るようにと奨められています。特に今日、ウクライナでも、そしてキリスト教誕生の地であるエルサレムでも戦闘が行われています。心を込めて、そして心を合わせて、戦争の終結のために祈りをささげましょう。 エルサレムで、「こんにちは」や「さようなら」の挨拶のことばとして、「シャローム」が日々交わされています。しかし、ヘブル語の本来の意味は「平和」で、それも、戦争がない状態ばかりを指すのではなく、命の力が満ち溢れて希望に向かって生きている状態を指すことばです。つまり、神と人とがあるべき関係になっており、神のみ旨に従った秩序をもって、人間がすべての被造物を用いている状態をさしています。したがって、社会的にも精神的にも満たされた安らかな状態にあることを意味しています。 そして、私たちキリスト者が思い起こすのは、復活したイエスが弟子たちに現れた時の最初のことば「あなたたちの平和があるように(ヨハネ20・19,21,26、ルカ24・36)」です。さらにイエスは「父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。(ヨハネ20・21)」と弟子たちに使命を与えて派遣しました。この箇所での平和は、キリストの平和、主の平和であって、シャロームの本来の意味、すなわち、神のみ旨に従った秩序をもって、人間がすべての被造物を用いている状態です。 日本の教会の意向は、平和旬間に合わせて「世界の平和」です。シャロームの心で、意向に心を重ねて祈ってまいりましょう。 |