2024年8月 4.平和の祭典・オリンピック |
パリオリンピック2024は、現地時間の8月11日に閉会式が行われ、17日間の会期を終え閉幕しました。今回は「ジェンダー平等」の理念を反映してのことか、史上初めて、男女の選手数がほぼ同じでした。200を超える国と地域、そして難民選手団も加わって1万1千人が32競技、329種目で競い合いました。 そもそも古代オリンピックは、紀元前9世紀頃に始まったもので、ギリシア全土から競技者と観客が参加しました。当時のギリシアではポリス間の争いがあって、戦いを繰り広げるところもありましたが、宗教的な意味を持つオリンピアの祭典には、その戦いを中断しても参加しなければなりませんでした。そこで、4年に一度開催されたこの祭典の間「聖なる休戦」の期間を設けて、武器を捨てて競技の場で戦いました。 この古代オリンピックは、ギリシア人以外の参加を認めていませんでしたが、4世紀にはローマが支配する地中海の全域から競技者が参加するようになり、また、キリスト教がローマの国教となったことから、オリンピア信仰を維持することができなくなり、393年の大会を最後に、受け継がれてきた伝統は終止符を打つことになりました。 1500年の時を経て、1892年に、ピエール・ド・クーベルタン男爵はソルボンヌ講堂で行った「ルネッサンス・オリンピック」の講演で、オリンピック復興の構想を明らかにし、それが世界中の賛同を受けて、1896年に第1回のオリンピックがギリシアのアテネで開催されました。 近代オリンピックの父クーベルタン男爵の生誕の地フランス、パリで行われた今回の大会期間中も、「聖なる休戦」は行われず、ウクライナで、そしてパレスチナで戦闘が継続し、たくさんの命が失われました。戦闘の当事国からも選手が参加し、熱戦が繰り広げられ、多くの感動を与えてくれたパリオリンピックが、平和の祭典であることをしっかりと心に刻み、日本の教会の意向である「世界の平和」のためにあるように「世界が平和への歩みを始めることができますように」と心を合わせて祈りをささげてまいりましょう。 |