2024年9月 3.異常気象 |
![]() 日々の報道では、気温が35℃を超える猛暑日が続いていること、熱帯夜が続いていること、記録的な大雨が降ったこと、そして熱中症には充分に注意を払うこと、地盤がゆるんでいる地域では土砂災害に備えることなどが、繰り返し伝えられています。ところが、異常気象の原因となっている地球の温暖化にまでは触れていますが、さらなる原因である温室効果ガスの排出については、ほとんどの報道で触れられていません。何か、私たちではどうにも解決できない現象が起きてしまっているといった姿勢での報道にとどまり、根本的な原因は私たち人間のわがままであることには触れられていないのではないでしょうか。 熱帯夜が続き、夜間に熱中症で命を落とした事例が度々報道されれば、夜間にも冷房をつけて就寝するようになります。日本の電力会社の発電施設は日中の電力使用量に合わせた規模で設備が設けられているために、夜間は発電所の能力に余剰が生じていますので、夜間の冷房の使用が直接に温室効果ガスの排出を促進しているとは言えませんが、異常気象を乗り越えるためにますます温暖化を促進するような生活様式がゆるされているように思わざるを得ません。 10年前の教皇フランシスコの「ラウダ―ト・シ」から、私たちは生活様式を変える努力をしてきたでしょうか。脱炭素社会に向けて、自分ができる最大限の努力をしてきたでしょうか。日本の司教団が「観る、識別する、行動する」に心を重ねて、何かひとつでも行動したでしょうか。 教皇の意向は「地球の叫び」です。異常気象は仕方のない自然現象ではなく人間が引き起こした環境危機であることを心に留め、祈り、そして行動する日々といたしましょう。 |