2024年11月 2.日韓司教交流会 |
11月11日と12日、日本カトリック会館で第26回日韓司教交流会が開催されます。韓国と日本が歴史認識の違いに直面していた1996年、両国の司教の間で始まった「日韓司教交流会」は、日本と韓国の司教団が毎年交互にそれぞれの国を訪れ、福音宣教の課題について学び、分かち合う交流会です。昨年2023年には25周年を迎え、韓国から23人、日本から16人が参加して、これまでの交流を振り返り今後の展望を話し合いました。 1910年、大日本帝国は韓国併合に関する条約に基づいて大韓帝国を併合し、統治下に置きました。植民地搾取は行わず、社会のインフラ整備や教育の充実をはかって、韓国の近代化を支えていたという学説もありますが、韓国人に対する差別や偏見は、巷に行き渡っていたようです。1923年の関東大震災の折には、「朝鮮人が略奪や放火をした」といった流言飛語によって、数万人が殺害されました。第二次世界大戦に突入してからは徴用工、慰安婦などの問題、そして戦後になると竹島の領有権など、新たな課題も持ち上がってきました。 さらに、北緯38度線を境として北朝鮮と韓国に分断されてしまった朝鮮半島には、安全保障の課題が常に付きまとい、今日では北朝鮮が韓国を敵対国と位置付けて、核兵器の配備など軍事力を強めているといった状況があります。 歴史的背景を概観しても、日韓には複雑にねじれてしまっている課題が山積していることが分かり、日本の韓国に対する「戦後処理」は、心情的にはいまだ解決を見ていないといってよいでしょう。 同じ信仰に生きている者同士が、このような背景を乗り越えて、世界の平和に向けてともに歩むことはきわめて大切なことです。昨年に参加した司教一同は、メッセージを発表し、「ともに祈り合い、ともに支え合うことで、シノドス的な教会を率先してあかしするものとなり、この地域において神の平和が確立されるように、取り組んで参ります」と結んでいます。 https://www.cbcj.catholic.jp/2023/11/30/28368/ 今年の日韓司教交流会が実り豊かなものとなりますように、祈りをささげてまいりましょう。 |