2024年11月 5.乳幼児突然死症候群(SIDS) |
乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)は、何の予兆や既往歴もない乳幼児が突然死に至ってしまう、原因の解明されていない病気で、窒息などの事故とは異なるものです。2023年には48名の乳幼児がSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第5位となっています。 SIDSは睡眠中に起こりますが、あおむけのほうが発症率の低いことが研究で分かっています。ですから、医学上の理由でうつぶせを勧められている場合以外は、1歳になるまではあおむけに寝かせることが、予防のひとつです。また、母乳で育てられている赤ちゃんのほうがSIDS発症率の低いことが分かっています。そして、たばこが発生要因のひとつであるという研究結果もあります。妊婦のときの喫煙、妊婦の受動喫煙が影響していると考えられていますので、子どもに関わるすべての人が禁煙することが求められています。 さて、SIDSに限らず、さまざまな理由で赤ちゃんの命を神にお返ししなければならないことが起こっています。教皇の意向では、「息子や娘を失った」親に接する心構えが示されていますが、東京都福祉局のウェブサイトでは「子どもを亡くした方に接する時に」というページで、その要点を簡潔に示しています。中でも、「ご両親を慰めようとして、『早く忘れなさい』『もう1人子どもがいるのだからいいじゃない』『早く次の子どもをつくったら』などと言わないでください。亡くなったお子さんは、家族の一員であり、かけがえのない存在なのです」という奨めは、大切な点です。 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/kodomo.html SIDSは、突然に起こる出来事です。親の心中は察するに余りありません。教皇の意向に心を重ねて、「子を失った親」のために、祈りをささげてまいりましょう。 |