2024年12月  2.司祭になるには
 日本の教会の意向は、「神学生の召命」です。神学生とは、意向の本文にあるように、「司祭を目指す」若者のことです。そして、その道に導かれることを、「召命」もしくは「召し出し」と言います。小教区の運営に支障をきたすほど司祭が減少してしまった今日、召命の促進のために、さまざまな努力を重ねていますが、その動向を止めることが難しい状況にあります。教会にとって深刻な課題の一つなのです。
 ひとりの若者が、神からの招きを受けて、自分をささげて生きる道を選ぶという、召命への招きに応える営みは、その若者ひとりでなしうることではありません。所属する教会共同体の支えと励まし、出会った先輩や指導者の援助などがなければ、その道は開かれません。そして何よりも、召命を願い召命を支える祈りが求められています。それぞれ教区では召命を支える「一粒会」をいう組織を設けていて、召命のために祈ることを日々呼び掛けていますが、今月は司教協議会が日本の教会の意向に司祭の召命を取り上げていますので、心を重ねて祈りをささげてまいりましょう。
 ところで、神からの呼びかけを感じた若者が、どのような過程を経て司祭に叙階されるかはあまり知られていません。そこで、一般的な養成の流れを押さえておくことに致しましょう。予科(1〜2年)と、本科の哲学(2年)、神学(4年)を神学院で共同生活を送りながら学びます。最終年に当たる年に、聖職位を授ける儀式「叙階」を受けて「助祭」(司祭に次ぐ職位)になり、卒業時に再び「叙階」を受けて司祭に任命されます。
 神学校入学の条件として、洗礼を受けてから一定年数を経た22〜40歳の独身男性であること、学歴が高等学校卒業以上であること、そして、所属教区の司教の推薦があることが掲げられています。教区には召命担当の司祭がいますので、自分が所属する小教区の司祭、担当司祭と相談して教区長である司教との面談を重ねて、神学校の受験の道が開かれることになります。
 司祭への召し出しは、共同体の実りとも言われています。私たちの共同体から、1人でも多くの召命が生まれるように、日々祈りを重ねてまいりましょう。