2024年12月 3.被団協のノーベル平和賞 |
12月10日に、ノーベル平和賞の授賞式がノルウェーのオスロ市役所で開かれました。今年の平和賞は「日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)」が受賞し、長崎で被爆して親族5人を亡くした田中熙巳(てるみ)代表委員(92歳)は受賞演説で、「核と人類、共存させてはならない」とはっきりと述べられ、また、「核兵器の保有と使用を前提とする核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願いです」と世界に向けて発信されました。会場からは絶えやまぬ拍手が送られました。 この年末にかけて、世界情勢は不安定な状況を呈しています。ロシアとウクライナの関係、イスラエルのガザ地区への侵攻、ミャンマーの内戦など平和を脅かす戦闘が続いているばかりか、韓国では「非常戒厳」をめぐる政局の混乱、シリアではアサド政権の崩壊に続く新たな混乱への危惧、ルーマニア大統領選挙の不正発覚による無効の判断、等々、人権が損なわれ平和が打ち砕かれていく心配事が心を占めています。 その中で、教皇フランシスコは「希望」を掲げた聖年をスタートさせようとしています。そして、被団協の平和賞受賞は、希望の灯の一つです。地球に暮らす全ての人が、互いの存在を認めて平和に暮らす道筋は、さまざまな国際協力のもとで進められていることも、しるしの一つです。COP29しかり、対人地雷禁止条約第5回再検討会議しかり、そしてノーベル平和賞の授賞式しかり、わたしたちは様々な機会をとおして、希望を表わし、平和を求めて祈りをささげていくことが求められています。 主のご降誕、そして「希望の巡礼者」の聖年を迎えるために心を整え、そして平和のために祈る一週間と致しましょう。 |