2024年12月  4.高齢の神学生
 2024年も残すところわずかとなりました。今振り返ってみて、どのような一年だったでしょうか。気候変動や国際情勢の緊迫、諸勢力の対立と内戦、などなど、私たちの周りは不安であふれています。その中で、教皇は「希望の巡礼者」の聖年の扉を開きました。2025年が希望に満ちた平和な一年となりますように、祈り願いましょう。
 日本の教会の意向は「神学生の召命」です。召命の減少は、カトリック教会の大きな課題の一つです。特に、先進諸国では深刻です。
 教区司祭の養成にあたる日本カトリック神学院から、11月23日に開催されたザビエル祭に際して、「召命物語」という小冊子が発行されました。そこには、3人の哲学生、3人の神学生、そして3人の助祭の、召命への歩みが綴られています。それぞれが、神から特別な、固有の導きの中で、決して平坦ではない道を歩み、今日に至った物語が語られています。
 9人の執筆者の中に、50歳を超えた方が2人います。一人は、韓国の方で、大学を卒業した後に軍隊に勤め、その後会社勤務や会社経営などを経て、日本で司祭の道を歩むことを識別した歩みを分かち合ってくださっています。もう一人は九州の方です。幼少のころからの持病を乗り越えて、見えない力に支えられて助祭まで歩まれたことを伝えています。
 日本カトリック神学院: https://www.tokyo-seminary.catholic.jp/
 コヘレトの言葉に「何事にも時があり 天の下の出来事にはすべて定められた時がある。」(3章1節)と記されています。私たちは司祭への召命が青年の心の中で育まれると考えがちですが、今こうして、50歳を超えて司祭への道を歩んでいる姿に触れて、神のいつくしみの深さに気づかされ、また、私たちの愚かさにも気づかされます。
 神学生の召命を祈り願って過ごすこの年の瀬を、神が祝福してくださいますように。